食品の異物混入に対する予防と対策について(2015年5月12日)

増える食品異物混入問題について

食品に、虫や金属・プラスチック・ビニールなどの断片、毛髪・爪・歯などさまざまな異物が混入していたというニュースが相次いでおり、食品の安全性に対する関心度が一段と高まっております。
平成27年1月26日発表の独立行政法人国民生活センター報道発表資料によると、

食品の異物混入に関する相談は、2009年度以降累積で16,094件寄せられています(2015年1月10日までの登録分)(注3)。そのうち、「異物によって歯が欠けた」「異物によって口内を切った」など、危害情報(注4)は3,191件となっています(注5)。
(注3)「食料品」および「外食・食事宅配」に関する相談のうち、「異物混入」に関する相談は約5.4%を占めています。
(注4)商品・役務・設備に関連して、身体にけが、病気等の疾病(危害)を受けたという相談のことです。
(注5)「食料品」および「外食・食事宅配」に関する危害情報のうち、「異物混入」に関する危害情報は約23.4%を占めています。

となっており、実際に異物混入の危害にあっての相談が増えていることからも、異物混入に対して敏感になっているように思います。

異物混入の原因と対策について

異物混入の原因は、『原材料に由来する場合』と『製造工程に由来する場合』に大別されます。

『原材料に由来する場合』とは?

1.もともとの食材の一部が異物として混入する場合

食材の欠けた殻や砂利・小石などがそのまま混入してしまう場合が考えられます。これらの対策としては、ふるい、メッシュ網などを使用して、原材料をよく選別することにより異物を取り除くことが必要です。

2.ダンボールなどの運搬用資材などが混入する場合

運搬時の資材や納入業者が持ち込んでしまう場合が考えられます。これらの対策としては、受け渡し場所を限定する事により、立ち入る場所を制限したり、保管時には別の容器に移し替えるなどの対応が有効です。

『製造工程に由来する場合』とは?

1.異物が混入しやすい施設環境の場合

食品に直接触れる作業を行う『清潔な作業を行う区域』とその他の部分の区分けが明確でない場合や、『清潔な作業を行う区域』に不必要な物が入る余地がある場合に、異物が混入しやすい施設環境であると言われます。
食品の加工を行う区域では、特に衛生管理を重点的に行い、不必要な物を「入れない」、「置かない」、「放置しない」といった対応が重要になります。

2.従業員が持ち込んでいる場合

従業員の頭髪などの体毛や爪、時計・指輪などのアクセサリー、ボールペン・クリップ・ホチキスなどの文房具などが異物混入の原因として報告されております。入室時のチェックで、これらの物を施設内への持込を未然に防ぐことにより、異物混入のリスクを減らす事が重要です。
特に爪・頭髪などは持込を防ぐことができないため、爪は短く切り、施設内に入る前には必ず鏡の前で毛髪がすべて隠れるように帽子を装着し、粘着ローラーで全身の毛髪、ゴミなどをすべて除去してから入室するといった対応が必要となります。

3.破損した器具・機械設備が混入する場合

機械設備の破損・磨耗が原因による異物混入だけでなく、飲食店などで調理器具を洗浄する際に使用するスポンジ、スチールウールなども異物として混入する事例がよく見られます。破損し易い器具はそれだけ異物混入のリスクが高いため、使用時にはよく注意する必要があります。
また、食品工場では、金属探知機、X線検査などにより異物混入の検査をする事も重要です。